オーストラリアの高速道路で車がぶち壊れた話【後編】

Uncategorized

この記事は「オーストラリアの高速道路で車がぶち壊れた話【前編】」の続きです。まだご覧になっていない方はこちらから飛んでください

泣きっ面に蜂

レッカー車は高速道路から10分もかからない近所の修理店に無料で持って行ってくれました。
その時何故か修理店隣接のガソリンスタンドの駐車場に置かれたのですが、特に問題は無いと思った私達はそのままレッカー車を見送りました。
しかしその行為は問題しかなかったのです。
修理店に車を見てくれと言いにいくと、「他の敷地に停められた車を対応することは出来ない」とのこと。
そりゃ真っ当な主張です。
その後ニュートラルに入れて修理店まで押して動かそうと試しましたが、何故かハンドルもブレーキも効かないので断念し、どうすることも出来ない私は僅か30mの距離を、165ドル払って再びレッカーしてもらうのでした。

しかし不幸は終わりません。無事修理店まで持って行く事ができ車を診てもらえることになったのですが、修理店の人がボンネットを開けるなり、「これはうちじゃ対応出来ないわ!」と言うのです。
なんとオーバーヒートしてエンジンがダメになっていました。

「エンジンは修理出来ないし、取り替えるならかなり高額の費用になるよ。あとそんな長くうちの駐車場に停めないでね。」

友達に訳してもらったこの言葉を聞いた時さすがに絶望しました。それと同時に怒りも込み上げてきました。
実は私の車は、2ヶ月前に中古車ディーラーで買ったばかりだったのです。
納得出来ない私は販売元の中古車店にメッセージを送りました。
すると意外にもすぐメッセージが返って来ました。
そこからテンポよくやり取りが出来たのですが、とあることが判明するとそこから無視を貫いてきたのです。それはクイーンズランド州が定める車の保証が効かないということです。
私が乗っていた車はSubaru Outback 2004年式。
古い車ですがオーストラリアでは全然見かける現役の車です。
私の車は保証Bの範囲に入るのですが購入してから1ヶ月以上経過していた事、1000km以上走行していたことから保証が適用されませんでした。
購入する時の私が、まさかそんな早く壊れるとは思っておらず軽々しくサインをしていたので言い逃れはできません。
しかしながら「はいそうですか」と簡単に納得は出来ません。
「80万する車がこんな早く壊れるのはおかしいだろ!レッカーでそっち持っていくから壊れたままでも買い取れ!」
とブチギレお気持ち表明文を送ったもののとうとう返信が返ってくる事はありませんでした。

私はこんなテキトーな会社は初めてみました。
保証や買取はせずともさすがになんらかのアドバイスくらいは欲しかったものです。
思い返せば買いに行った時の店員の態度も悪かったのです。この車を勧められたときもREGO(オーストラリアの車両登録のこと、期限切れは法律違反)が切れてないものが良いと言っていたのにも関わらず車の窓に貼り付けられた車の情報にはREGOは8月までの表示。(購入日は9月4日。)

「REGO切れてんじゃ無いか!」と言うと私の顔の前で「この車のREGOは切れてねえ!11月までと言っただろ!」と怒鳴りつけてきたのです。
「誰がこんな所で買うもんか!」と思った私ですがオーストラリア一周する予定の私にとって四輪駆動の大きい車は魅力的で尚且つ他店でも見かけなかったので結局購入してしまったのです。
店側の落ち度の癖して客にキレてくるのは今思えば地雷でした。人生こんなテキトーで良いのかよとちょっと思うまであります。
太宰治も生前にコイツに出会っていれば自分をモデルに人間失格を執筆することも無かっただろうし、自分に絶望して玉川上水で入水自殺することも無かっただろうと思います。


話が逸れすぎたので戻す。

リテンションバニッシュ

結局車をどうする事も出来ず、今日中に処理しなければならなくなった私は壊れたまま売ることを決意しました。友達にさまざまな買取業者に連絡して貰うも午後2時も過ぎていたこともあり、今日は無理だと断られ続けました。なんとか一社だけ今日来ても良いよと言ってくれましたが、条件は買取金額レッカー代合わせて300ドル…
結構ガチのまじの本当に嫌でしたが背に腹は変えられないので私は泣く泣く車を手放す事にしたのでした。


1ヶ月前に10万近く払ってREGOも更新した買値80万の車が2ヶ月で3万になってしまいました…
マジシャンもびっくりです。
ちなみにこの章の題名であるリテンションバニッシュとはコインマジックの技法で、コインの反射を利用して消した様に見せるというものです。
この出来事に似ていたので採用しましたが、実際と違う所は本当に車が消えてしまった所なんですけどね。

今の笑う所ですよ。


私は笑えませんが。

無念の帰国

結局貯金も無い、英語も喋れない、車も無い、気力も無い私に残された道は帰国でした。
夢にまで見たオーストラリア一周をするどころか始められもせずに私のワーホリはたった3ヶ月で終わってしまったのです。
しかし、諦めた訳ではありません。
オーストラリアを一周とまで行かずとも最低でも横断には必ずまたリベンジします。

「本当に自分のやりたい事は諦めずにやるもんだ!」


と思いながらこの記事の下書きをこの事件の翌日書いているのでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました