
2025年11月11日火曜日早朝。
ガトンのファームもシーズンが終わり仕事がほとんど無くなった私はブリスベンでUberEatsをする為に車で引っ越しをしていました。
私がワーホリで来ていた理由はお金を稼いで、オーストラリアを車で一周するためでした。
その時の私はそんな目標に胸を高鳴らせながら運転していましたが、その時まさかオーストラリアを一周せずに帰国する羽目になるとは思いもしませんでした。今回はそんな私の身に起きた不幸を綴っていこうと思います。
黄色の凶兆
15分程走行しているとエンジン警告灯が点いている事に気づきました。しかしその時の私にはそのランプが何なのか分からなかったので空港まで送って貰う為に後ろに乗っていた友達に調べて貰いました。
新しい人類の叡智、ChatGPT曰く
🤖大抵ノ場合ハ燃料タンクノ蓋ガ緩ンデル事ガ多イヨ!
との事だったので私は気にせず走らせていましたがここから少しずつ異変が起こっていくのでした。
まず車の加速が弱くなりました。高速道路なので100km/hで進むのですがある程度踏み込んでも90km/hちょいしか出ないのです。
しかし私は超が付くほどのMr.鈍感男。
この程度のことでは車の異変には気付きません。
次に起こった異変は異臭です。
ガソリン節約の為エアコンはあまりつけないタチなのですが1時間近く窓を閉めっぱなしで走っているともちろん暑くなります。外気を取り込む為少し窓を開けた時、焦げ臭い匂いが車内に入ってきました。
しかしこの時私はこの匂いは山火事の匂いなんだと思っていました。
実はその時朝霧が出ており、朝日に照らされ黄色っぽくなっていました。さらにはオーストラリア=山火事多発国と思っていた私はその異変にも気づかずに着々とエンジンにダメージを与えながら進むのでした。
最終終着点
平日のブリスベンの高速道路は出勤する為の車で渋滞が出来るのが日常の光景であり、無論その日も渋滞が出来ていました。
ジャンクションで渋滞にハマった私は先ほどのChatGPTのアドバイスを思い出し、燃料タンクを確認しようとしました。念の為エンジンを止めた時、前の車が少し進んだのでまたエンジンを再始動しようと、キーを回しました。
……エンジンが全く掛かりません。
何度試しても元気の無い馬の鳴き声のような始動音しか聞こえてきません。
なんと私の車の最終終着点は高速道路上という最悪の結果を迎えてしまったのです。
さらに追い討ちをかけるようにボンネットから煙が出てくるではありませんか!
最悪この車が炎上して爆発すると思った私は後部座席にいた友達に
「爆発するかもしれないからパスポートとか必要なものだけ持って外に出て!」
といいハザードランプを点けて外に出ました。
外にはあの焦げ臭い匂いが漂っていました。
不幸中の幸いなことに、私の後ろにも渋滞が続いていたため後ろから追突されるという最悪の事態は回避する事が出来ました。
しかしながら私は大焦りをブチかましてました。
急いでChatGPTに泣きつきました。

さらに幸運なことに後ろに乗っていた友達はある程度電話で受け答えが出来る程の英語力を持っていました。
全くと言って良いほど英語力が無い私は友達にレッカーを呼んでもらうこととし、オレンジ色のビニール袋を手にとって後方の交通誘導に行きました。
交通誘導をしていると色んな人がいるんだなという事に改めて気付かされます。
感謝や労いの言葉を掛けてくれたり会釈してくれたりする人、ぼーっと運転していて私の誘導に気づかず急ブレーキを踏む人、大声で冷やかしてくる脳みその密度が発泡スチロール程度しか無さそうな馬鹿タレ。
私は道路公社の標識車が来るまでビニール袋を振って交通誘導を続けました。
2時間後、レッカー車が来てなんとか二次災害を発生させずに無事高速道路から避難することが出来たのでした。車が炎上する事もありませんでした。

「悲しみが来るときは単騎ではやってこない。必ず軍団でやってくる。」
かの有名なシェイクスピアの名言の言う通り、本当に大変だったのはここからだったのです。
後半へ続く。(NA:キートン山田)


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